こんにちは、石倉です。
普段レッスンに行っている学校で、ホール練習をする機会があります。
ホール練習とは、本来コンクールなどをやるようなホールを貸し切って、広い場所で吹く練習をすることです。
そんな時にユーフォニアムパートからよく質問されることがあります。
それは
ユーフォニアムのベルをどこに向けて吹いたらいいのか」という質問。
普通にユーフォニアムを構えると、もちろんベルは上を向きます。
しかし、客席の方に向けるのか、それともステージの反響板の方に向けるのか、意外と自由度があるもの。
反響板とはステージの後ろにある、響きを足してくれる壁のことです。
僕の経験上は、客席の角にベルを向けると、良い響きになることが多かったです。
ベルを客席にしっかり向けると硬めの音になる
金管楽器はある程度、空間の反響を利用した「響き」がつくことで美しい音に聞こえます。
響きのない、いわゆる「生音」はバジングの音が強めに聞こえるもの。
このような音は「硬い」と表現されることが多いです。
そのため、例えば合奏中において「ユーフォが聴こえない!」と言われてしまった時など、硬い音色、突き抜けるような音色が欲しい時には、ユーフォのベルを客席真正面に向けるのはとても効果的!

しかし、普段CDなどで聴くような、良い響きのある音に比べると、硬めの音色にはなってしまいます。
反響板に当てるとモワモワした音に
では、逆に反響板にベルを向けるとどうなるのでしょうか。
反響板は楽器の響きを倍増してくれます。
「ユーフォニアムの響きをもっと増してもらえるから、反響板に当てるのはいい策なんじゃ…」
と思ったそこのあなた。
残念ながらユーフォニアムの場合、元の音もかなり柔らかい音色のため、反響板に当てるといい響きを通り越して、モワモワしてしまうんです。
もちろん、モワモワした響きを作りたい際には良い策なのですが、正直なところ今までモワモワした音を意図的に作りたい場面は、僕はありませんでした。
よってあまり使い道はないやり方かもしれません。
バランスに優れた響きは客席の角に当てるやり方
そんな両方の良いとこどりをした方法が、客席の角に当てるというやり方。
客席の角というのは、客席の1番奥の面と、天井と、ユーフォのベル側にある面の3面が合わさる場所のこと。(以下の写真の赤丸の部分)

この部分に当てることで、ユーフォニアムの柔らかい響きを残しつつも、ベルが少し正面を向くことによる適度な硬さのある音になります。
僕は長年、ユーフォニアムのベルをどこに向けるのか悩んでいましたが、自分がレッスンをする側になってから、ようやく確信を持つことができました。
おわりに
ユーフォニアムやテューバは他の金管楽器と違いベルが上に向いていることで、ホールだとどこにベルを向けていいのか悩みますよね。
バランスが良いのは客席の角に当てるやり方ですが、「この当て方ならどの曲にも合う」という当て方は存在しません。
曲によって色々と試しながら、いい音がする当て方を探していきたいですね。
それでは今日も楽しく練習しましょう!
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