ユーフォニアムはここ数年、高い音から低い音まで登場し、かつリズムがとても細かい難易度の高い曲が多くなってきました。
そうなってくると避けて通れないのが「ダブルタンギング」です。ダブルタンギングはシングルタンギングではテンポが速すぎて追いつかない場合や、ずっとタンギングが続くような場合にとっても有効です。
ダブルタンギングは、シングルタンギングの「トトトト」という舌の動きに対して、「トゥクトゥク」と2回のシングルタンギングと2回の喉の奥で「ク」というタンギングを組み合わせています。そのため、シングルタンギングと比べて速いタンギングが得意です。
しかし、喉の奥で「ク」というタンギングのコツを掴めないと、なかなかきれいなタンギングが難しいのも事実です。
「しゃべればできるよ」と言われてしまいがちなダブルタンギングですが、今日はできる限り細かく、コツを書いてみたいと思います。
※こちらの記事は、シングルタンギングができるようになり、ダブルタンギングに挑戦しようと思っている方向けに書いています。シングルタンギングのコツを書いた記事があるので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。
「トゥクトゥク」の「ク」の吹き方
ダブルタンギングは、「トゥクトゥク」と発音します。
実際に言ってみるとわかりやすいです。「トゥ」はシングルタンギングと同じように舌の先の方で息の通り道を塞ぎ、「ク」は喉の奥の方で息の通り道を塞ぐことでタンギングをします。
このとき、大切なのは「ク」のときに息がしっかりと出ているかということ。
ダブルタンギングの苦手な人の多くが、「ク」の発音の時に息が出ていないパターンです。
言葉として書くのはとても難しいのですが「ク」というよりは「クゥー」と息が出るように言ってみてください。
もし息が出ているかどうかわからない人は、自分の口の前に手を出し、手のひらに向かって「トゥクトゥク」と息のみでタンギングしてみましょう。
ポイントは
・「ク」のタンギングの時に「トゥ」と同じくらいの息が出ているか
・「ク」のタンギングの時にも息はまとまっているか
ということです。
「トゥ」と同じように「ク」という発音ができるようにしましょう。
息の通り道を細くする
もし上記の練習をしてみても、「なんだか上手くいかない」という人は、「ク」のときの舌の位置はどこにあるのか、確認してみましょう。
いままでのシングルタンギングは、息のスピードを速くするために、口の中を狭くし、息の通り道を細くすることでやりやすくなります。
これはダブルタンギングでも全く一緒です。
ダブルタンギングのとき「ク」と発音するのは、喉の奥です。喉の奥でできるということは、舌の位置を気をつけないと、舌がどこにあってもタンギングできてしまいます。
舌の位置を確認したとき、「ク」のタンギング時に下に下がってしまっていませんか?
下に下がってしまうと、「ク」のタンギングのときだけ息がまとまらず、クリアにタンギングしにくくなってしまいます。
「ク」のタンギング時も、「トゥ」と同じくらいの口の狭さにすることで、息の通り道を細くし、ダブルタンギングがぐっとやりやすくなりますよ。
おわりに
ダブルタンギングは「ク」というタンギングのコツがいりますが、一度習得してしまうと、ユーフォニアムパートに書かれた難易度の高いパッセージも、楽々こなせる大切な技術です。
タンギングは口の中や体の中で完結してしまう技術のため、外からはやり方が分かりにくいのですが、仕組みを知り、考えながらやることで絶対にできるようになります。
毎日の小さな積み重ねがとても大事です。