アンサンブルでは「歩幅を合わせた」吹き方をしよう

こんにちは、石倉です。

夏の吹奏楽コンクールが終わり、いよいよアンサンブルコンテストの時期になってきましたね。

そんなアンサンブルですが、アンサンブルは合奏で演奏するときと大きく異なる部分があります。

それはなにか。

当たり前のことですが、アンサンブルでは指揮者がいません。

指揮者がいないと、音楽をまとめていく人がいないように感じてしまうかもしれませんが、実際にはそんなことはないんです。

アンサンブルに参加している奏者、全員が音楽を引っ張っていくことが大切になってきます。

トランペットなどの目立つ楽器だけではありません。伴奏を含む全ての楽器です。

僕はアンサンブルで「引っ張っていく」の意味がずっとわからず、困っていました。

闇雲に自分勝手に吹いてみたりもしましたが、うまくまとまりません。

実は、音楽を引っ張っていくためには、「歩幅を合わせる」吹き方が必要だったんです。

目次

「ぴったり」は遅れる!

僕は学生の頃、とあるアンサンブル曲をみんなで演奏していた時
「ちょっと、ユーフォニアム遅くない?」
と言われてしまったことがあります。

当時は遅れているなんてちっとも思っていなかったので、とてもびっくりしました。

アドバイスをくれた人の感覚がちょっとおかしいのかなと思った僕は、すかさず録音を聴いてみることに…。

聴いてみたら…

確かに遅れていました。

「なぜ遅れるんだ…」

原因がわからず、困っていた僕はアドバイスを求めることに…。

石倉雄太
なぜ遅れてしまうのかな?ぴったり吹いているつもりなのに…。
友達
なんか待ってるように聴こえるんだよね。優しい性格とかも原因かもね〜。

待っている…?優しい性格…?

考えた末、一つの可能性が出てきました。

石倉雄太
もしかして無意識のうちに誰かに合わせることだけを考えていたせいで、全部少し後ろめに吹いてしまっていたのかも…。

アンサンブルは指揮者がいません。だから周りと息を合わせることが大切なのですが、合わせることばかり意識してしまったため、すべての音を様子をうかがうように発してしまっていました。

もちろん、合奏でも周りをうかがいながら音を発するのはよくありません。
でも、指揮者を見れば解決しますよね。

ところがアンサンブルの場合、あまりにも周りを気にしながら「ぴったり」音を出そうとすると、それは「遅れ」になってしまうんです。

厳密に言うと、
「ぴったり」音を出そうとする→周りはストレートに音を出す→周りが出し始めた音に合わせるほんの少しの遅れ

という具合です。

「ぴったり」→「歩幅を合わせる」へ

「ぴったり」だと遅れてしまうことがわかりました。

では、どうしたら遅れてしまうことなく、引っ張っていくことができるのか。

それは、歩幅を合わせることです。

突然ですが、二人三脚ってやったことありますか?

隣の人の足と自分の足を紐で結んで一緒に歩くあれです。

やったことある人はわかると思うんですが、あれどちらかが「相手の足に合わせよう」なんて考えると、途端に転んでしまうんですよ。

自分が動かそうと思ったタイミングで、相手にも同じように動かそうと思ってもらったとき、初めて前に進むことができます。

音楽も二人三脚と同じで、
自分が動かすとき、相手も動かしたいと思って動かす。
その瞬間、ぴたっと音楽が揃います。

周りをうかがい過ぎることなく、音を発する。
躊躇なく発した音を、合わせる。

僕は、このことを心がけるようになってから、少しずつ本当の意味でアンサンブルを合わせることができ、またアンサンブルを引っ張っていくことができるようになっていきました。

もちろん最初は、今まで周りをうかがいながら音を発していたところから、自分のタイミングで躊躇なく音を発するようになったため、ずれてしまうことも多々あり…。

でも、うかがってる音で合わせるより、自分が出したいと思ったタイミングで音が合ったほうが何倍も嬉しくないですか?

むしろ、周りを過度にうかがわなくなったことで、「お、そのテンポでいきたいのね!」とみんなに気づいてもらいやすくなったんです。

音楽を動かしたいと思った時、動かす役割の時。
その音楽を示せるような「歩幅を合わせる」吹き方で引っ張っていくことができたら、アンサンブルはきっともっと楽しくなります。

おわりに

アンサンブルは合奏と比べて人数が少ない分、迫力は負けてしまうかもしれません。

でも人数が少ないからこそ、いろいろなパートと合わせるという楽しさは合奏の何倍もあります。

「歩幅を合わせる」吹き方で、アンサンブルがもっと楽しくなるといいですね!

それでは、今日も楽しく練習していきましょう!

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