ロングトーンの練習 実はとっても楽しいものだった

こんにちは、石倉です。

普段の基礎練習の中で、ロングトーンの練習ってやっていますか?

「ロングトーン」は大事ってよく言われるけれど、特に工夫もせずになんとなくこなしている
毎日やっているけれど、上手くなっている気がしない
ぼーっとしながらやっている

そんな人はいませんか?

僕は中学生の頃、まさにこのパターンでした。

吹奏楽部では「ロングトーン練習」といって、みんなで一斉にロングトーンだけするという練習があったのですが、僕は具体的に何をしたら良いのかよくわからず、しまいにはその時間に循環呼吸を練習していたこともあります。

ロングトーンは大事なのは知っている。でも、つまらない!という人。

それはもしかしたら「工夫」が足りないのかもしれません。

ロングトーンをやる意味

ロングトーンをやる意味って一体何なのでしょうか。

ロングトーンはただ音を伸ばすだけと考えてしまいそうですが、実は結構大変なんです。

というのも、

①しっかりブレスをして

②音の出だしに気をつけながら

③安定して息を出し続け

④音の音程や音色に耳を配りながら

⑤音のリリースを気をつける

これだけのことを考える必要があるんです。

もちろん曲の練習でもやることは同じなのですが、ロングトーンは曲に比べて音を単純にすることで、これらの気をつけるポイントにフォーカスして練習できます。

もちろん、この目的の部分は、一人ひとり異なってもいいわけです。

というか、異なるべきです。

仮に「ロングトーン練習」といって全員でロングトーンの練習をする時間があったとしても、目的はそれぞれあって、それにあった練習をすればいいんです。

ロングトーンも目的別に工夫することができます。

ロングトーンの工夫例

ここでは、ロングトーンの工夫の仕方を紹介します。

強弱を変えてみる

強弱を変えることで、普段のロングトーンより負荷をかけます。

めっちゃpのロングトーン

個人的に一番オススメの工夫の仕方。とにかくpで吹きます。

「金管楽器は大きな音を出せたらなんかすごそう」という気持ちはとてもよくわかります。

しかし、音を小さく出すというのは、唇を効率的に使えていないとできないんです。

だから、pでロングトーンをすると、

  • 効率的に唇を使う練習
  • 少ない息の量を吐き続ける練習
  • 少ない息の量でもしっかり振動する唇を作る練習

こんな練習が一気にできます。

クレッシェンド & デクレッシェンド ロングトーン

こんな感じにpから初めて、ffまで持っていき、pで終わるというロングトーンです。

やってみるとわかるのですが、なめらかにクレッシェンドとデクレッシェンドするというのは結構むずかしいもんです。

自分の意図どおりではなく、思ったよりクレッシェンドが遅くなってしまうパターンや、デクレッシェンドを早くしすぎてしまうパターンなどがあります。

このロングトーンをすると

  • 曲の中で思ったとおりにクレッシェンド・デクレッシェンドができるようになる練習
  • 息の圧をかけたり、抜いたりする練習

ができます。

音の組み合わせを変えてみる

ロングトーンはただ同じ音を伸ばすものだと思い込んでいませんか?

そんなことはありません。

こんな感じに4拍ごとに音を変えることもできます。

前の音と次の音の響きを同じにする練習になりますね。

例えば、ユーフォニアムはB管なので、開放( B や F )は比較的吹きやすいのですが、Fis など 2.3 の指を使う音は、管が長くなるため吹きにくいです。

そんな時に前の B の音から響きが変わらないか確認しながら吹くことで、どの音でも同じように響かせられるようになっていきます。

このロングトーンをすると、どの音でも同じように響かせる練習ができます。

音域を変えてみる

音域を変えてみるのも一つの手です。

おすすめはいつも吹かない低い音。

もし、曲の中で出てこないほど低い音を吹いて意味はあるの?と思ってしまったら、それは大間違い。

とても意味があります。

なぜなら低い音は、唇をゆっくりと振動させないと出ません。唇をゆっくりと振動させるには、細かい息のコントロールが必要。息のコントロールがうまくできると、曲の表現がより豊かにできるようになる。

とこんな具合です。

低い音のロングトーンをすると、唇をゆっくり振動させる繊細な息のコントロールの練習ができます。

おわりに

たかがロングトーン、されどロングトーン。

少し工夫するだけで、いろいろな練習と組み合わせることができます。

「練習がつまらない!」

もしかしたらそれは、ロングトーンだけに限らず、ちょっとした工夫が足りていないだけかもしれません。

ちょっとした工夫をするだけで、練習はとても楽しいものに変わっていきます。

僕は、高校生の終わりくらいからユーフォニアムのレッスンを受け始めたことをきっかけに、ロングトーンの工夫ができるようになっていき、練習が楽しくなってきました。

それでは、今日も楽しく練習していきましょう!

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