ユーフォニアムを吹いているとよく遭遇する問題、そう「連符問題」です。
※ここでは細かいリズムの音符を「連符」と表現していますが、本来の意味は普通の音符では割り切れない音符(3連符や5連符など)を指します。
ユーフォニアムは、音色が柔らかいというのが一つの特徴ですね。それゆえ、音色が金管に比べて柔らかい楽器が多い木管楽器と、仲良く同じ動きを担当することもしばしば。
美しいメロディを共有している時はとても楽しいのですが、「こんなの無理だろ…」と思ってしまうような、細かい連符まで一緒にやらされることもとても多いんです。
僕は学生の頃、連符を吹けるようなるには、とにかく何回も何回も練習することが大事と考えていました。
しかし、大量の時間を使えばもちろんできるようにはなるのですが、時間も体力も有限です。もし、効率よく練習できる方法があったら、そちらのほうが断然いいですよね?
今回は、僕が試行錯誤しながら考えてきた3つのコツを書きます。
目次
連符を理解する
連符を練習するときは何からしますか?
まずは楽器を持って…と思った、そこのアナタ。ちょっと待ってください。
楽器を一度置き、指づかいの確認からしましょう。
まずは指づかいの確認
連符が難しいとされる一つのポイントは「指づかい」です。自分の指のはずなのにどうやって動かしているのかわからなくなってしまうこと、ありますよね。なのでまず、最初になんの指で吹くのかを決めます。
特に難しいのが、ユーフォニアムだと 2.3 の指を使ったり、4番ピストンを使う連符。
このような難しい指づかいはできる限り避けたいところです。
ユーフォニアムの指づかいは、同じ音でも複数あることがあります。いわゆる「替え指」というものです。
例えば、チューニングの B より下の F は基本的に 0 で吹きますが、1.3 でも吹くことができます。
連符でどの指を使うか決めるときは、
- なるべく 0 1 1.2 2の指のみでできるように「替え指」を使う
- 指を実際に動かしてみて、動きやすい指づかいかどうか
という点に気をつけて決めましょう。
音とリズムの確認
指づかいを決めたら、今度は音とリズムの確認をします。
この時、楽器を持って吹きたくなってしまいますが、その前に音とリズムを頭にいれることが大事です。
仮に、音が頭に入っていない状態で練習すると、楽譜を読むことと、楽器を吹く練習を一緒にしていくので、効率はとても悪くなってしまいます。
もし、音がわからないときには ①音源を聞く ②キーボードを使う などして、音を歌いながら確かめていきましょう。
音とリズムを正確に歌えるようになったら次のステップへ。
指づかいのみの練習
ここまできたらやっと指づかいの練習をします。
指づかいの練習でも、まだ楽器は使いません。
机の上などを楽器のピストンに見立て、指のみを動かす練習です。
この時に大切なのは、先程練習した歌を歌いながら指を動かすこと。
このように練習することで、頭に連符がしっかりと入っていきます。
歌いながらスムーズに指を動かせるようになったら、ここからやっと楽器を吹きます。
パズルのピース練習
おまたせしました。ここからは楽器を持って練習します。
僕が勝手に「パズルのピース練習」と呼んでいるこの方法は、ズバリ、練習する箇所を細かく分け、完成させていく方法です。
なんだかジグソーパズルを完成させていくのと似ているので、こう呼んでいます。
1拍ごと分ける
基本的には1拍ごと連符を区切ります。
(1拍ごと分けると、とんでもなく吹きにくい場合を除く)
区切ったものを一つずつ練習していき、できるようになったら次の拍を練習しましょう。パズルのピースを一つずつ作り上げていくイメージです。
このようにすることで、できる部分まで何度も繰り返してしまうことなく、効率的にできない部分のみを練習することができます。
やってみるとわかりますが、思ったよりも難しくない拍も結構あるもんですよ。
区切って練習することで、できない部分にフォーカスしやすくなります。
すべてのピースを練習し終えたら、繋げて吹いてみます。
するとどうでしょうか。頭にしっかりと入れてから難しいところのみを効率的に練習したおかげで、かなり吹きやすくなること間違いなしです。
【番外編】どうしてもムリな連符の吹き方
ここまで「連符のコツ」なんて偉そうに書いてきましたが、残念ながらユーフォニアムには「人間には不可能なんじゃないか」と思われるほど、ヤバさMAXな譜面も存在します。
ということで大きな声では言えませんが、はっきり言ってしまうと「ごまかし方」です。
もちろん、練習はしなければいけませんが、絶対ムリな連符をそこそこ吹けているように聴かせるコツを紹介します。
息はとにかくしっかりと
息はとにかくしっかりと吹き込みましょう。
というのも、吹けない…と思っていると、息は少なくなっていき、もっと吹けていないように聴こえてしまいます。
仮に自信がなかったとしても、連符は最初の一音目から終わりの音まで、しっかりと息を入れましょう。
肝心なのは最初の音と最後の音
どうしても吹けない連符、せめて吹くとしたらどの音か。
それは、最初の音と最後の音です。
最初と最後以外の間の音は、しっかりと息を入れて、なるべく指を動かします。なるべくです。
最初と最後の音がしっかりと吹けていると、そこそこ吹いているように聴かせられます。
ここで紹介したのはあくまでも、どうしても無理な連符の吹き方です。
できることなら、しっかりと吹けたほうが気持ちが良いので、まずはしっかりと練習してみましょう。
おわりに
ユーフォニアムは金管楽器の中でトップクラスに連符が出てきます。
周りの金管楽器のみんなは壮大なハーモニーを作っている中、ユーフォだけ頭のおかしい連符を吹いていることも少なくありません。
「木管楽器が一緒にやっているから…」と諦めずに、まずは練習のコツを知り、練習してみましょう。
ユーフォニアムという楽器でしっかり連符をキメれば、とてもかっこいいものですよ。
それでは今日も楽しく練習していきましょう!