ソロを吹けなくなった時の話

こんにちは、石倉です。

今回は、僕がソロを吹けなくなった時の話をします。

こんなタイトルだと誤解を生んでしまいそうですが、今はソロを吹くのがとても好きです。

「ソロを吹けない」なんて思ってしまったのは、僕が高校3年生、最後の吹奏楽コンクールに出たときです。

高校最後の吹奏楽コンクール

僕は小学校からユーフォニアムを吹いていますが、実はそんなに緊張しないタイプでした。

それが、音楽科のある高校に入学し、趣味で吹いている状態から、将来を見据えて仕事にしていこうと必死に練習するようになった結果、緊張してしまうようになっていったのです。

高校の吹奏楽コンクールには毎年出場していましたが、高校3年生、僕にとって最後の吹奏楽コンクールの時にある事件が起きます。

めちゃめちゃ目立つユーフォソロ、しかも最高音HiC!

これは怖い…。しかし、めちゃめちゃ頑張りたい。

高校生の頃の僕は、恐怖半分、やる気半分といった具合でした。

何度も何度も練習し、合奏も死ぬほど繰り返して、練習中音を外すことはほぼありませんでした。

「絶対に上手くいく」と自信を持てていました。

そして地区大会本番当日。

心配性だった僕は、朝一番に学校に来て念入りに音出し。

本番前にだいぶ吹いてしまいました。

そして本番、ソロの直前までは上手くいっていました。

と こ ろ が

ソロが始まった途端、いつものように音が出なかったのです。

「え・・・なぜ??」

焦りますが、曲を止めることはできません。

その落ち着かない状態のまま、ソロは最高音のHiCへ。

しっかりやらかしました。

もう顔から火が出るほど恥ずかしいし、一瞬の出来事過ぎて、「今の本当に自分が吹いたのか?」と疑ってしまったくらいです。嫌な記憶は脳から消される作用があるらしいのですが、そのせいかどうやってやらかしたのかすらあまり覚えていません。とにかく盛大に失敗しました。

演奏が終わり、舞台袖から控室に帰る間、本当に地獄のような気分でした。

周りは気を使っていてくれているのか、誰も声をかけられることなく、黙って戻っていきます。

「今すぐ消えてしまいたい」そう思いました。

あんなに練習したのになんでだよ、、、。

後悔しても遅いのです。

ここからソロ恐怖症に

地区大会は無事に通過し、県大会を目指すことになりました。

次の日、気持ちを切り替えて練習しようとすると、

「あれ・・・」

体が勝手に震えてしまうのです。
自分の意志とは無関係にですよ?

昨日の失敗がフラッシュバックしてしまい、まともに吹けなくなってしまったのです。

ソロ以外は普通に吹けるのに、ソロになるともう怖くて怖くて。

だからといって、ソロから降りたいなんてこれっぽっちも思わなかった僕は、それでも必死に練習しました。

失敗の原因

なぜ失敗してしまったのか。

原因はいろいろあると思いますが、僕なりに分析してみました。

  • ソロを成功させたいあまり自分にプレッシャーをかけすぎた
  • 緊張によりアパーチュアをとても広くとってしまい、吹いてしまった
  • 単純に本番前吹きすぎ

だいたいこんな感じです。

つまり、あまりにも身構えすぎていました。

ソロって聞くととんでもなく大変な仕事のように思えますが、実際には数十分ある曲のほんの一部です。

仮に大失敗してしまったとしても、命がなくなるわけではないし、点数だって10点も20点も引かれるわけではありません。

このことに気づいてから練習方法を変えていきました。

大切なのは小さな自信の積み重ね

自信を一気に失ってしまった僕ですが、とにかく自信が欲しかった。

考えてみれば、自信は自分で作り出すしかありません。

褒めてもらうのを待つわけでもないし、お金で買えるものでもないんです。

だから、毎日の積み重ねが大事。

「今日は昨日よりもよく吹けた。」「今日は調子が悪いにも関わらず、ソロが上手くいった。」

これの繰り返しです。

こういう小さな自信をつけていくことで、ちょっとずつ大きな自信になっていきます。

こうして自信を育てていくと、ソロの部分になっても変に身構えず、他の部分と同じように吹くことができるようになっていきました。

そのおかげか、県大会のソロも無事成功。
そして、東海大会では自分でもびっくりするくらい上手く吹くことができました。

全国大会には惜しくも進めなかったのですが、「やることはすべてやった」と、悔しくも清々しい気持ちになったのを覚えています。

おわりに

この記事を書いていて、あのときの嫌な気持ちが鮮明に蘇ってきました。

そのくらい僕にとってはきつい出来事でした。

「今になってみれば、よかったよね!」という人もいますが、僕は今になってみても嫌です(笑)。

しかし、失敗があったからこそ、自信を持つ方法について考え、実行することができました。

それは、今の僕にとってとても大きな糧となって、支えてくれています。

あのときの自分、よく諦めずに頑張った!

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