Campanula

こんにちは、石倉です。

「カンパニュラ」って知っていますか?

ピンク色の小さい花です。

「カンパニュラ」とは、ラテン語で「小さな鐘」を意味します。

風鈴のようにふっくらとした花の形から、命名されたそうです。

今回は、僕が作曲した「Campanula」を紹介します。

目次

演奏動画

きっかけ

この曲を作曲したのは、2022年の6月ごろでした。

2022年6月ごろといえば、僕にとってとある一大イベントがあったときです。

教育実習です。

大学で教育課程を取っていた僕は、地元の長野県、母校である小諸高校で教育実習をやりました。

教育実習…。
今まで人生色々と大変なことがありましたが、その中でも大変だったランキングTOP5に入るくらい大変だったのをよく覚えています。

なかなか慣れない先生の仕事。やることが山積みの毎日。

ついこの前まで高校生だった人が、突然、高校生の前で先生になってしまうのですから、そりゃ大変に決まっていますよね。

この曲はそんな時期に、そこで出会った生徒のみんなに向けて書いた曲になります。

作曲のいきさつ

僕は作曲する時、きまってメロディから浮かんできます。

この「Campanula」も、もれなくそうでした。

メロディは小諸の「青い空」から

メロディが浮かんだのは、教育実習のために電車で移動し、最寄り駅に降り立ったときです。

そこで目にしたのは、とっても綺麗な青空。

僕が高校生の頃から数えると、約4年ぶりに訪れたのですが、そこにはあの頃と同じ空が広がっていました。

長野県小諸市は標高が600〜2000メートルととても高く、空気がとても澄んでいるため、空の青さがとても際立って綺麗に見える場所です。

この空を見た時に、冒頭ユーフォニアムの、空まで駆け上がっていくようなソロのメロディが思い浮かびました。

僕の場合、色と調性がある程度一致しているんです。
空の青色を表現しようと思ったら、自然とDdurを選んでいました。

曲に込めたのは「感謝」の気持ち

教育実習の時に感じたのは、生徒一人ひとりの人生を背負う教師の役割はとても大変だということです。

僕も経験がありますが、先生からもらう言葉というのは、それだけでやる気が出たり、落ち込んだり。すごいパワーを持っています。

でもちょっとの期間だけ先生になってみて思ったのは、それは逆の立場でも同じということ。

生徒からもらう「ありがとう」という言葉は、言葉に出来ないくらい嬉しいものでした。

生徒にとって、ほんの少しでも力になれたのなら、本当に嬉しい。
そんな気持ちを込めました。

「Campanula」曲名の由来

曲を書き進めている頃、いざ曲名を決めようと思った時に思い浮かんだのは、「花」をテーマにすることです。

花は、美しく花を咲かせる時期もありますが、それ以外は寒さに耐えたり、誰かに踏まれたりしながら必死に耐え抜きます。

そんな様子が、教育実習で触れた、これから羽ばたいていく高校生のみんなと重なったためです。

素敵な花はないかなと探していたところ、ふと「カンパニュラ」が目に入ります。

そこから調べていくと、多年草として何年も咲くこと、ちょうど教育実習の頃に咲くこと、そして花言葉が「感謝」であること。
こんな理由から自分の中でしっくりときて「Campanula」と名付けました。

曲のイメージ

曲は、優しいピアノの旋律からスタートします。

冒頭、空まで駆け上がっていくようなユーフォのメロディから曲が展開していきます。

曲は、花の一生をイメージして作曲したので、辛いこと、苦しいことが何度もあり、そのたびに立ち上がろうとする様子を書きました。

曲の中間部は、冒頭と打って変わり、テンポが速くなります。

これは、「早く咲きたい、でもまだ咲けない」という焦りや焦燥感を書きました。

曲の最後には、冬を乗り越え、満開に咲き誇る「カンパニュラ」の姿です。

何度も繰り返すことを表現するため、冒頭のユーフォソロで曲は終わります。

おわりに

「Campanula」

この曲を聴いて、あなたの故郷の景色が思い浮かんだり、少しでも嫌な気持ちが前向きになることを心から願っています。

ぜひ、お聴きください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1999年、長野県出身。
ユーフォニアム奏者、作編曲家として活動中。

目次