トリプルタンギングが超苦手だったのに本番だけ上手くいった話

こんにちは、石倉です。

 

楽器を吹いていると、ときに挑戦しなくてはいけない場面というものが出てきます。

 

それは、自分にとってかなり難易度が高いもの、成功確率が低いフレーズ、苦手意識がある音などを吹く時ですよね。

それらがない曲を演奏できればいいのですが、現実的にはどこかで出会ってしまうもの…。

 

 

僕は高校生の時、ソロコンクールに出ることにしたんです。

ちょうどその頃、とっても苦手意識があったものが「トリプルタンギング」。

何度練習しても、どんなにやってもできませんでした。

 

それなのに、僕はソロコンクールで演奏する曲をなんと当時最大の苦手意識があった「トリプルタンギング」の含まれた曲を選んでしまったのです

 

ここから、僕にとっての挑戦が始まることになりました。

目次

苦手なトリプルタンギング

高校生当時、トリプルタンギングがとても苦手でした。

金管楽器奏者なら一度はやる教則本、「アーバン」の中に「トゥトゥクトゥトゥク」とやるトリプルタンギングのコーナーがありますが、このページを何度やっても全くできるようにならなかったんです。

 

レッスンは受けていましたが、僕自身、先生から教えていただくことを消化できないまま、どんどん月日だけ流れていくという日々…。

 

トリプルタンギングのどこが苦手だったのかと言うと、「トゥトゥク」の「トゥトゥ」の部分です。

ここは、言ってしまえばシングルタンギングとやることは同じ。
舌で息を区切ることで音を区切るという仕組みです。

 

このシングルタンギングと同じ部分が、当時は全くできず、綺麗なトリプルタンギングとは程遠いタンギングになってしまっていました。

ソロコンクール曲の決定

そんな中、ソロコンクールに出場できる機会があり、レッスンの先生と一緒に曲目を決めることに。

 

コンクール曲は、自分の良さが引き出せる曲かつ、テクニックが程よいレベルで書かれており、歌う部分も程よく書かれている曲。
そんな曲を探していました。

 

先生が提案してくださったのは、

フィリップ・スパーク作曲の「Fantasy」という曲。

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ユーフォニアムと吹奏楽のためのファンタジー/フィリップ・スパーク/Fantasy (For Euphonium and Concert... 【フル音源】ユーフォニアムと吹奏楽のためのファンタジー/フィリップ・スパーク/Fantasy (For Euphonium and Concert Band)/Philip SparkeGM10171Gr. 4Time 9:00商品...

僕の第一印象は「すごくかっこよくて、これをソロコンでやるのいいなあ」という印象。

 

ちょっと問題点としては、途中の部分にトリプルタンギングを使わなくてはいけないフレーズが少し含まれていたのですが…。

当時の僕は、ソロコンクールまでまだ半年以上あったので、「まあ、なんとかなるでしょ!」と軽い気持ちで選んでしまいました。

克服できないままソロコンクールへ

その後月日は流れ、気づいたらコンクール2週間。

 

 

なんと⋯

 

 

 

まったくできるようになりませんでした…。

 

すごい練習したんです。

学校の行き帰りでも、ずっとトリプルタンギングを口ずさんだり、暇さえあれば練習していました。

 

でも、できるようになる兆候どころか、進化が全く見えず。

 

 

とっても困りました。

どうしたらいいんだろう…。

 

どんなに困っても、本番はどんどん迫ってきてしまいます。

諦めたまま臨んだ本番

そして本番当日を迎えてしまいました。

 

本番前、最後の音出し室で最後の望みの練習。

 

マウスピースを吹いた瞬間⋯。

 

 

 

死ぬほど調子が悪かったんです。

音はパスーって全然出ないし、ただでさえトリプルタンギングはできないし。

 

「もう終わったー」

 

完全に諦めモードに入りました。

 

どうせ悔やんでも、もうどうしようもないから、諦めて息だけとにかくしっかり入れよう。
そんな気持ちで本番に臨みました。

なぜか、トリプルタンギング成功!?

本番が始まって⋯。

 

緊張して自分が吹いているという感覚すらなくなってしまいました。

勝手に指が動く感覚です。

 

そして問題のトリプルタンギング部分。

 

 

 

 

なぜか成功しました…。

 

あんなに練習してできなかったのに⋯です。

本番が終わって、唖然としました。

 

そんな奇跡、あるの??

なんでできたの…。
正直、なぜできたのか、この記事を書いている今でもよくわかりません。

可能性が1%でもあったら⋯

もし、「成功できる可能性が1%です。」
と言われたら、挑戦する選択をしますか?

コンクール前の僕は、「1%の成功率しかないということは、99%は失敗するということ。そんなの怖いから嫌だ」
なんて言っていたと思います。

 

もちろん今でも、失敗するというのはすごく怖いです。

 

僕はとにかく引きずってしまう性格で、「失敗」というものを極端に恐れてしまいます。

 

 

でも。

 

 

高校生の頃の僕にとって「トリプルタンギング」という技術の成功確率は、はっきり言って0%でした。

練習のときに一度だって満足に演奏することなんてできなかったんですから。

 

 

それでも、何度も何度も挑戦はしました。

そして、諦めきった本番でなぜか成功。

 

それは、最後までなんとか挑戦し続けたことによる成功だったのかもしれません。

 

 

ちなみに、本当にこの本番一回きりがとても上手くいっただけで、その後数年間はトリプルタンギングについて悩むことになります。

おわりに

失敗は怖いです。

でも、失敗を恐れすぎてしまうと、挑戦していたら見れたはずの素晴らしい景色を、もしかしたら見ることができなくなってしまうかもしれない。

 

そんなふうに考えるようにしています。

 

 

失敗するたびに、落ち込んでしまいますが、それでも前を向いていきたい。

そんな風に思います。

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