音楽大学受験で浪人したら経験すること10選

こんにちは。石倉です。

 

僕は、今から約2年前に卒業した洗足学園音楽大学に入学する前、1年間浪人を経験しています。

 

人生で初めて大学を受験した頃は、ちょうど音楽科のある高校に通っており、「もう何がなんでも1番にならないと…」と強い思いを持って練習に励んでいました。

「1番になるためには1番難易度の高い学校を受験しないとダメだ」という考えのもと、東京藝術大学しか受験をしないことに…。

 

結果は2次までいけたものの、最終である3次までいくことは叶いませんでした。

その後は、気持ちがぽっきりと折れてしまい、「一体なぜ音楽なんてやってるんだろう」と考えてしまうまでに。

 

結局、それでもなんとか音楽を続けたいという気持ちになり、死に物狂いで洗足学園音楽大学には合格できました。

 

今回は、音楽大学を受験し、浪人したら何がおきるのか、お話したいと思います。

目次

とんでもなく落ち込む

そりゃあそうですよね。めちゃくちゃ落ち込みます。

何がつらいってあんなに高校3年間頑張ったのに、もう1年何をしたらいいんだよ…という気持ち。

僕の場合、まだできることあったなという気持ちより、できることは全部やり切ったという気持ちの方が大きかったんです。

それでもダメだったというのに、あと1年間でどうしろというんだよ、という思いでした。

 

もちろん、客観的に見たら「あともう少しじゃん、頑張ろうよ!」という部分はあったと思うのですが、当時の僕にはただただ落ち込むことしかできませんでした。

お世話になった先生への報告がきつい

先生方は結果を待ち望んでくれています。

1次は通ったという報告をした時には、自分のことのように喜んでくれていました。

 

それがあるから、余計につらいんです。

 

東京藝術大学まで結果を見にいき、ダメだったとわかって。

「ああ。終わったな」とわかってから、すぐ近くにある上野公園のベンチに座って連絡しました。

 

「今日2次だったのですが、落ちてしまいました。」

 

どの先生もただただ慰めてくれるのですが、当時の僕は頭が真っ白すぎて何も覚えていません。

とにかく、ここまで応援してくれた先生に、結果が出せずに申し訳ない…。という気持ちでした。

同期と比べてしまう

同期と比べるなんてこと、別にしなくていいはずです。

受験は自分との戦いですから。

 

でも、これまで一緒に頑張ってきた同期はキラキラした大学の話をしている中、僕は…。

まあ、行くところがないわけです。

 

同期と話をしても、どこか気を遣ってもらっているような、そんな感覚。

気遣ってもらってる時ってなんとなく察してしまうんですよね。

「学生料金」が使えなくなる。

高校生のこれまで、当たり前のようにどこでも学生料金でした。

電車の定期は安くなるし、飲食店でも安くなったり、カラオケとかいっても学割で安くなったりしますよね。

 

ところが。

 

浪人生は学生ではなくなります。

 

これも地味にしんどかったこと。

 

というのも料金が多少高くなってしまうのはもちろん痛いのですが、それの何倍も痛かったのが友達と会った時に1人だけ料金が異なるということ。

 

例えば同期みんなでカラオケに行った時。

店員「全員学割でよろしいでしょうか。」

石倉「すみません、僕だけ一般料金でお願いします。」

 

こういうやりとりをしなくてはいけないんです。

 

これだいぶしんどいですよね。

周りとの差を実感してしまうこの瞬間が、僕はかなりメンタルにきました。

音楽をやる意味がわからなくなる

それまでは音楽科に在籍し、吹奏楽部にも入っていました。

音楽をやる環境があり、一緒に音楽をやる仲間がいる毎日。

 

でも、浪人するとそれらは全て無くなってしまいます。

何をするにも1人です。

 

僕は音楽をやる意味がわからなくなってしまい、次第に楽器をあまり吹けなくなっていってしまいました。

それでもレッスンは受けていたので、レッスンにだけは必死になんとか間に合わせるという日々。

当然、上手くなるわけありません。

 

正直音楽の楽しさなんて全然わからなくなってしまいましたが、それでも今まで続けてきたのだからという思いから、洗足学園音楽大学の受験を決意。

そしてなんとか合格するのですが、この浪人した時から「音楽は楽しい」と心から思えるようになるにはだいぶ時間がかかりました。

いつカミングアウトするか問題

「実は一年浪人していて…」

これをいつ言うのか迷いましたね。言ってしまうとどうってことないんですが、最初はやたら気にしてしまいます。

最初に敬語使われたら嫌だな…とか、そんなことばっかり考えてしまうのですが、意外とみんな気にしていないもんです。

 

もしカミングアウトのタイミングで迷っているなら、おすすめは飲み会とかのタイミング。

周りはまだ飲むことができない中、しれっとお酒頼んだりして「あれ?もうお酒飲めるの!?」的な空気になったあと、「別に隠してたわけじゃないんだけど…」みたいに言えばOK。

大きな財産になる

浪人はデメリットしかない?

いえいえ、そんなことありません。

メリットだってたくさんあります。

それは、「大きな財産になること」です。

 

浪人すると、とにかく1人の時間が多くなります。

遊びたい気持ちがあっても、浪人生だからとどこか後ろめたい気持ちがあるし、練習していても張り合いがなく、どこかひとりぼっちな感じがしてしまうんです。

 

でも、こういう時の「自分を見つめる時間」は浪人した人の特権。

自分はどんなことに弱くて、どんなことをしたいと思ってて、何を成し遂げたいと思っているのか。

 

ゆっくり考える時間があります。

 

この時間を使って、今までの自分を見つめ直したりできるんです。

 

この時間、ストレートで大学に入った人には無い時間ですよ。

今思えば、自分を見つめ直す時間というのはとっても大きな財産だなと。

この時間があったから、悩みに悩み抜いてそれでも音楽を続ける、そんな決断ができたんだと思ってます。

ちょっとしたきついことに動じなくなる

浪人は今までの人生で1番しんどかった。

この経験をすることで、ちょっとしたつらいことには動じなくなります。

きついことがあっても「浪人の時よりはまだマシだな」と思えちゃうんですよ。
だいぶ心が強くなります。

居場所があるありがたみを感じれる

浪人をすると居場所を失います。

今までエスカレーターのように上がってきた「学校」という場所を失い、かといって「社会」に出るわけでもありません。

1年間そんな経験をすると、周りに同じ目標を志す仲間がいる環境って本当に素敵だなと心から思えるようになります。

さいごに、音楽大学受験で浪人が決定してしまった人へ

今とってもつらいと思います。

浪人。
1人で戦っているような気になってしまって、精神的に参ってしまうかもしれません。

 

でも、命を取られたわけじゃないんです。
楽器を吹くな!と言われたわけでもありません。

 

いくらでも、好きなだけ、音楽をすることができます。

 

浪人は1年間入学するタイミングがずれてしまうのですが、そのずれによって新しいつながりやチャンスに恵まれるかもしれないんです。

 

今後、必ず浪人の経験が活きる時が来ます。

おわりに

浪人はつらいもの。
でも、命を取られたわけじゃないんです。

 

「死ぬこと以外はかすり傷」なんて言葉もありますよね?

 

こうやって今ブログを書いている僕も、約6年前はどん底の毎日でした。

それから少しずつ、いろんな人に助けてもらいながら今があります。

 

 

この記事を読んでくれた人が、少しでも心が軽くなりますように。

 

 

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この記事を書いた人

1999年、長野県出身。
ユーフォニアム奏者、作編曲家として活動中。

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